術後の指示

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埋伏歯露出後

出血

術後には一定量の出血が予測されます。血がにじむ、血の混ざった唾液が見られるなどは、術後12〜24時間中は異常ではありません。創部をガーゼで覆い、1時間ほど噛んで圧迫するように指示されることもあります。その後、ガーゼは除去し廃棄してください。出血の持続や再出血がない限りは、ガーゼ交換は必要ありません。

腫れ

腫れは手術に対する生体の正常で健康な反応です。大半の外科的処置後にみられ、程度は通常その処置・手術の規模に比例します。口の周りや頬・目・顔の外側が腫れるのは異常ではありません。多くの場合、手術翌日まで腫れはあまり目立たず、ピークは術後48〜72時間に訪れます。腫れや不快感はアイスパックを患部に直接貼用することで最小限におさえることができます。術直後24〜48時間は、手術部位周辺から顔の外側に向かってアイスパックを貼用します。睡眠中以外は、アイスパックは、30分間当てた後は30分間外してください。術後48時間を経過すると、アイスパックをしても特別な効果は得られません。その時点では逆に、腫れを速く軽減させるには温めることが有効になります。

痛み

処方された痛み止めは、患部に不快感を感じる前に服用してください。そのタイミングとは通常、局所麻酔が切れてくる頃になります。胃が空っぽの状態で痛み止めを飲むと吐き気が起こることがあるため、食事や飲み物と一緒に内服することが推奨されます。痛みどめを飲むと、ぼんやりしたり、物事に対する反応が鈍くなることがあります。アスピリンやアセトアミノフェン(Tylenol®)、またはイブプロフェン(Advil®またはMotrin®)等の市販薬は、適宜使用していただいてかまいません。

食事

局所麻酔が完全に切れるまで食事はしないでください。初日は、柔らかいものや熱くないものをなんでも食べてかまいません。手術部位の反対側で噛んでください。初日は、熱い液体や食べ物を摂取しないでください。手術創を傷つける恐れのある硬いものや歯ごたえのあるカリカリしたもの、さらに、ブラケットやワイヤーを引っ張る可能性のあるベトベトしたものや粘度の高いものはすべて避けてください。その後はできるだけ早いうちに固形物を食べ始めて、普段の食事に戻るようにしてください。

口腔の清潔

手術翌日の朝に、塩を入れたぬるま湯(グラス1杯のぬるま湯に小さじ½杯の塩)で、やさしくうがいすることから始めてください。1日4〜5回(とくに食後)を数日間続けます。歯磨きはできる範囲内で丁寧に行います。創部周囲は避けて磨くことを忘れないように十分注意してください。塩水でのうがいのかわりに、当院の医師が抗菌薬入りのマウスウォッシュをお出しすることがあります。

縫合部とパッキング材

露出された歯周囲は縫合することがあります。早い時期で縫合が1つや2つほどけてしまっても心配はいりません。使用した縫合糸が溶けるタイプの吸収糸か、抜糸が必要か否かは医師よりお伝えします。ガーゼなどのパッキング材が創部に留置された場合、触らないようにしてください。パッキング材は歯の露出が継続されるように詰められています。外れてきたり、落ちてしまった場合は、対処方法について当院までご連絡ください。

歯同士をくっつけているワイヤーにチェーンを付ける黒色の縫合または銀色のワイヤーが付いていることがあります。術後1〜2週間後に受診予約を入れてください。担当の歯科矯正専門医が、埋伏歯を正しい位置に移動させるプロセスの前にその縫合またはワイヤーを除去します。

ご質問や不安な点があれば、当院にお知らせください。